頑張っているけれども、なかなかうまくいかないという人におすすめのお話です。
成功哲学で有名なナポレオン・ヒルの著書『思考は現実化する』で書かれているお話です。
彼はビジネスにおける500人以上の成功者を20年もの歳月をかけてインタビューをし続け、成功の原則を体系的にまとめました。そのインタビューの対象となったダーヴィーという人の実話です。
最もよく見られる失敗の原因は、一時的な敗北にすぎないのに、すぐに願望の維持をあきらめてしまうことである。願望の大小は別として、誰でも一度や二度はこのような経験があるに違いない。
ゴールドラッシュの時代に、R.U.ダーヴィーの伯父も一攫千金を夢みて西部へ出かけて行った。しかし伯父は、人間の思考の中にこそ、無尽蔵の金脈が隠されているということを知らなかったために、大失敗をすることになる。 伯父はシャベルとピックを持って仕事にかかった。そして、一カ月以上も掘り続けたのち、ようやく鉱脈を掘り当てる、という幸運に恵まれた。
さっそく彼は金鉱石を運び出す機械を購入するために、メリーランド州ウィリアムズバーグの故郷へ帰り、親類や近所の人々から資金を借りて機械を買い込んだ。そして再びダーヴィーをつれて鉱山に戻った。ダーヴィーたちの掘り出した鉱石はコロラド州で最も良質のものであったので、彼らはあっという間に借金を返済してしまった。あとは儲けるだけである。
鉱脈を掘り進むにつれて、ダーヴィーたちの夢はますます大きくなっていったのはもちろんだ。
しかし、ある日突然、金鉱脈がなくなってしまった。同時に彼らの夢もはかなく消え去ってしまった。そこにはもはや、ひとかけらの金鉱石も残ってはいなかったのである。ダーヴィーたちは絶望の中にありながらも、祈るような気持ちでさらに鉱山を掘り続けていった。しかし結局彼らはすべてが夢と消え去った現実を認めざるをえなかった。
彼らは最後に、採掘設備の一切をたった数万円という安い値段で屑物商に売り払い、打ちひしがれて汽車で故郷へ帰って行った。その後、その屑物商は鉱山技師に頼んで、試しにこの鉱山の再調査をさせてみた。その結果、調査した技師の計算が正しければ、ダーヴィーたちがあきらめた所からわずか91センチ下に新たな金鉱脈が眠っていることがわかったのである。そして実際、そこから金鉱脈が発見されたのである。
いうまでもなく屑物商はこの鉱脈から何十億円という金鉱石を掘り出したのだった。屑物商は願望を断念するまえに、念のため専門家の意見を聞くという知識を持っていたのである。
出典:ナポレオン・ヒル著『 思考は現実化する_アクション・マニュアルつき』 (Kindle の位置No.1500-1519). KIKOSHOBO. Kindle 版.
なんともまあやり切れない気持ちになるようなお話です。
ダーヴィーさんはあと僅か91㎝掘っていれば大金持ちになれたはずなのに、自らその可能性を捨ててしまった。そして借金を返す人生を送ることになるダーヴィーさん。悔やんでも悔やみきれないでしょうね。
でも、途中でうまくいかずに挫折してしまい投げ出してしまうことってよくあることだと思います。
諦めてしまう時はたいてい何かのせいにしたりして、最終的には
「途中で辞めて正解だった」
と自分に都合のいいように解釈してしまったりしがちです。
実はこの話にはさらに続きがあります。
彼はその後保険会社の営業マンとして働き、大成功を収めます。
「私は以前、ゴールから91センチ手前であきらめてしまったために大損をしたが、今度は、人が保険は必要ないと言っても絶対にあきらめない」
と自分に繰り返し繰り返し言い聞かせることにより、大成功できたのである。
ダーヴィーは年間4億円を超す売り上げ実績をあげ、あっという間に優秀なセールスパーソンの一人となった。彼はあきらめの早い男から、食らいついたら放さないしぶとい男に変身したのである。
出典:ナポレオン・ヒル著『 思考は現実化する_アクション・マニュアルつき』 (Kindle の位置No.1525-1529). KIKOSHOBO. Kindle 版.
ナポレオン・ヒルが、大金持ちになった屑鉄屋ではなくダーヴィーさんにインタビューをした理由はここにあったのです。
もしもゴールまであと一歩だとあらかじめ分かっていれば、彼はまた違う人生を歩んでいたでしょう。
しかし、このお話のようにゴールが見えない道を進んでいくということは並大抵のことではありません。そこには『強い意志』がなければ簡単に心は折れてしまいます。
苦難に立ち向かい、諦めずに続けていくことの難しさがこの話から伝わってきます。
全て自分の思い通りに事が運ぶ人生など存在しません。思うようにうまくいかなかったり、トラブルも起こるものです。
邪魔が入ったりするとやる気が失せたりもするでしょう。思い通りにならなかったらイライラもするし投げ出したくなったりもします。
誰だって辛いことは嫌です。
ですが、もうダメだと思ったときが人間の真価が問われるときです。
ドロップアウトしてしまって夢を断念してしまうのか、苦しい場面で踏ん張って自分の信じた道を進むかどうかは自分次第です。
もしあなたがその局面に立ったとしたら、あなたならどうしますか?
金鉱脈がすぐ近くにあるのか遥か遠くにあるのか、はたまたもう存在するか分からない鉱山でも、信じて掘り続ける根気と勇気を持っているでしょうか?
もうダメだと思ったときに、もう一度この話を思い出してほしいです。
諦めなければ必ず報われると私は信じています。
偉人の名言
スラムダンクより安西監督の台詞
『諦めたらそこで試合終了ですよ。』
【毎日を楽しく過ごしたい!】好奇心旺盛な人から生き方を学ぼう!毎日を楽しく生きている人ってどんなイメージがありますか?「明るくて、前向きで、素直で、自信があって…」たくさんのポジティブ要素を持った人が、「楽しく生きて[…]
目標を立てる上で、明確なルールというものはありません。どんな目標を立てても自由です。しかし、どんな目標を立てても良いが故に、大して重要でない内容になったり、客観的に見ると「これ、どういうこと?」と思うようなよく分からない内容になった[…]