コーヒーの成分の一つに「カフェイン」があります。カフェインは、生活習慣病の改善や血行促進の効果があり健康に非常に良い面を持っていますが、反対にカフェインを摂取しすぎると健康を害する恐れもあります。
1日何杯までのコーヒーであれば、からだに問題はないのでしょうか?
1日のコーヒーの量は、「3杯」が適量
摂取しても良いとされるカフェインの量には個人差がありますので、明確な基準は設けられていませんが、一般的な目安として、カフェイン400mgまでなら健康に問題はないとする報告が多数です。
カフェイン400mgとは、コーヒーカップだとおよそ3~4杯分になります。
カフェイン摂取量 1日400mgまで(レギュラーカップ3~4杯分)
カップのサイズによって当然摂取するカフェインの量も異なりますので、わかりやすいように種類別にまとめてみました。
マグカップ(容量200g~250g):約150mg「1日2.6杯」
缶コーヒー(容量190g):約100mg~150mg「1日2.6杯~4杯」
カフェインを摂取しすぎると睡眠の質の低下を招くおそれもあるため、おおよその指標として1日3杯が健康にはおすすめです。
ちなみに、1日3杯飲んでも良いのは、【健康な成人】に限ります。
妊娠中の人は1日2杯まで!
一方で、妊娠中の女性や授乳中の女性の場合は一般の成人の量を飲んではいけません。WHO(世界保健機関)では、「妊娠中のカフェイン摂取量は1日300mgまで」とされていますが、それよりも厳しい基準を設けているイギリスのFSA(食品基準局)では「妊娠中のカフェイン摂取量は1日200mgまで」と制限をしています。
カフェイン摂取量 1日200mgまで(レギュラーカップ2杯分)
妊娠中の人がカフェインを取りすぎは、胎児の健康にとってよくありません。流産や早産、発達障害、低出生体重児などの発育遅延のリスクが高まります。
個人差があるため1日200mgが必ずしも安全とは言い切れませんが、いずれにせよ、過剰に摂取することは控えたほうがよさそうです。
妊娠中の人は、カフェインの摂取を200mg以下に留めるか、カフェインが含まれていないカフェインレスコーヒー(デカフェコーヒー)を飲むというのも一つの方法です。
コーヒーは何歳から飲んでもいいの?
一般的には、10歳からコーヒーを飲んでも大丈夫だと言われています。
しかし、10歳以上だからと言っても安心はできません。10歳を過ぎていても体格が小さければカフェインの分解に時間がかかってしまうため、カフェインによる悪影響を大人よりも長く受けることになってしまいます。覚醒作用が強く現れて夜眠れなくなったり、頭痛や吐き気も起きたりする場合もあります。
カフェイン耐性には個人差も当然ありますから、カフェインの量を抑えるに越したことはないと思われます。ミルクを多めに入れてコーヒーの濃度を薄めたりしましょう。
体重とカフェインの摂取量との関係
欧州食品安全機関(EFSA)では、安全なカフェイン摂取量のガイドラインが公表されています。
- 【成人】カフェイン約5.7mg/kg(体重)
- 【子供】カフェイン約3.0mg/kg(体重)
体重によって1日のカフェインの摂取量が異なってきます。
このガイドラインの計算式に当てはめると、こうなります。
体重 | 体重50kg | 体重60kg | 体重70kg | 体重80kg |
1日のカフェイン摂取量 | 285mg | 342mg | 399mg | 456mg |
1日のコーヒー摂取回数(レギュラーサイズ) | 約2.8杯 | 約3.4杯 | 約4杯 | 約4.5杯 |
体重 | 体重30kg | 体重40kg | 体重50kg | 体重60kg |
1日のカフェイン摂取量 | 90mg | 120mg | 150mg | 180mg |
1日のコーヒー摂取回数(レギュラーサイズ) | 約0.9杯 | 約1.2杯 | 約1.5杯 | 約1.8杯 |
子供のカフェイン摂取量も参考にご紹介しましたが、一般的にはコーヒーを飲み始めるのは、体重がだいたい50kg以上の体格(肥満を除く)が目安となっています。
つまり、10歳以上で、体重50kg以上の体格でなければ、カフェインを摂取するのは控えたほうがよさそうです。
適正な量を守ってコーヒーを飲むことを心がけましょう。
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