「返報性の原理」とは?人の心を動かすテクニック

「返報性の原理」とは?人の心を動かすテクニック

 

「返報性の原理」とは?

誰かに何かをしてもらったときは、そのお返しをしないといけないと思ったことはありませんか?お返しをしないと申し訳ないという気持ちになったり、自分も何かしてあげないと!という気持ちになったりしますよね。

この心理作用を「返報性の原理」と言います。

 

これは返報性の原理をよく表している動画です。小さな女の子がエスカレーターで降りる人に向かって手を振ると、みんな女の子に手を振り返してくれています。とても心が温まる動画ですので、ストレスが溜まって疲れている人は是非見てください(笑)

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何度見ても癒されます。女の子が手を振ると、大人たちは女の子に手を振ってあげたくなって、笑顔で振ってくれています。これが「返報性の原理」です。

 

他にも、友人からプレゼントをもらったら自分もプレゼントをしようという気持ちになりますし、ご飯を奢ってもらったら自分もお礼に何かをしてあげようという気持ちになるのも、普遍的に起こる現象です。

いわゆる「借りができた」という状況に人は居心地が悪く感じ、「何とかお返しをしよう」と思ってしまうのです。

「返報性の原理」とは?人の心を動かすテクニック

返報性の種類

返報性の原理は、私たちの日常でいろいろなところで働きます。自分に返ってくるのは、必ずしもこのような好意だけではありません。

返報性にはいくつかの種類に分けられます。

  • 好意の返報性 : 人に好意を示されると、こちらも好意を示したくなる心理
  • 敵意の返報性 : 人に敵意を示されると、こちらも敵意を示したくなる心理
  • 譲歩の返報性 : 人に譲歩されると、こちらも譲歩したくなる心理
  • 自己開示の返報性 : 人に自己開示されると、こちらも自己開示したくなる心理

順番に見ていきましょう。

 

①好意の返報性

相手に好意を示されれば、自分も好意を示そうという気持ちになる心理です。

バレンタインデーにチョコレートをもらったら、お礼として自分からもホワイトデーにお返ししたくなると思います。

スーパーの試食でも、無料で試食をしてもらったという好意に対し、「あまり美味しくない」なんて言うことはできませんよね。さらに心優しい人は、「一つぐらい買ってあげてもいいかな…」と思って、商品を購入するという「お返し」をしてしまうのです。

好意を受けたら、こちらも好意で返そうとする心理が働きます。

 

②敵意の返報性

相手に敵意を示されれば、自分も敵意を示そうという気持ちになる心理です。

例えば、同僚から悪口を陰で言われているということを知ってしまったら、自分も怒ってその相手の悪口を言ってしまう、という状況です。

誰でも自分に敵意を向けられて喜ぶ人などいません。悲しい思いもするし、イラッとしてしまいます。

「お返しをしなければ…」という心理は相手からの好意だけでなく、このような敵意でも人間の心理は同じような反応をしてしまいます。

「やられたらやり返す」という思いは、この敵意の返報性という心理が大きく働いているのです。

 

③譲歩の返報性

相手に譲歩してもらったら、自分も譲歩しないといけないという気持ちになる心理です。

値段が高くて買う気はなかったものでも、店員から値下げをしてもらったら購入してもいっか、という気持ちになるのも譲歩の返報性が働いています。

この行動は、「相手が譲ってくれたのだから、こちらも少しはその優しさに応えなくては!」という心理からきています。

ドア・イン・ザ・フェイス

セールスの場面で、譲歩の返報性を活用した『ドア・イン・ザ・フェイス』という交渉術があります。

最初に高めの要求をして相手に断らせておき、そのあとにハードルを下げて本命の要求をすることで承諾させやすくするというテクニックです。

新発売の○○○○が5本セットで2,000円です。

いかがですか?

いいえ、うちは使わないので結構です。

そうですか。では、1本だけでもお使いいただけませんか?

通常なら1本500円ですけど、当店では特別価格で5%引きになっております。

じゃあ、1本だけなら…。

さっき断ってしまったし、また断るのは申し訳ないわ…。まあ家にあっても困るものでもないし、1本ぐらいいっか。)

 

このように、一度断ったことによる後ろめたさを感じさせ、譲歩して購入しようという気持ちにさせるテクニックです。

いきなり本来の要求を言うよりも、最初の要求を断らせておき要求のレベルを下げて再度交渉したときのほうが、承諾率が約3倍になるという効果があるそうです。

 

④自己開示の返報性

相手が自己開示してくれると、自分も自己開示したくなる心理です。

相手が自分にだけ本音を話してくれたら、こちらも信頼されていると感じて本音を伝えたくなりますよね。

悩みや相談事を聞いたときも同じです。打ち明けられたら自分の経験や考えを相手に伝えて助けてあげたい!という思いに駆られます。

自分のことを先に話すようにすると相手も話しやすくなるので、相手との距離を縮めたいときは、まず自分のことを話すと良いでしょう。相手の警戒心が解かれて心を開いてくれれば、お互いの理解を深めることができます。

 

「返報性の原理」が使われる場面

返報性の原理が働いている場面は、私たちの生活でたくさん見られます。身近な例をいくつかご紹介します。

 

ビジネス
  • 自分の仕事を手伝ってもらったら、相手の仕事も手伝おうという気持ちになる
  • 値下げをしたら、契約件数が伸びた
  • 協力してくれる人がいると、その人のためにも絶対に成功させようという気持ちになる

 

家庭・プライベート
  • SNSで投稿に「いいね」を押したら、お返しに「いいね」が押される
  • 家事を手伝ったらお小遣いをもらえた
  • 年賀状を頂いたら、自分も送らなきゃいけないという気持ちになる
  • スーパーの試食コーナーで試食をしたら、商品を買ってあげたくなる

 

恋愛・人間関係
  • 笑顔で話すと、相手も笑顔で話す
  • プレゼント攻撃をされると、相手に優しくなる
  • >好意を持たれると、相手のことが気になり始める
  • 前回の外食は友人が自分の食べたいものに合わせてくれたので、今度は相手の食べたいものに合わせる

 

「返報性の原理」はビジネスや日常生活などにおいて無意識に働きます。返報性の原理をうまく利用すれば、人との関わり方を変えていくことも可能ですし、自分にとって有利に動くこともできます。

ただし、返報性の原理を狙いすぎても相手から警戒されるだけです。正しく活用していきましょう。

 

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